清峰金属工業の洋白は、Cu　50～70％、Ni　5～35％、Zn　15～35％の広範囲にわたる組成をもつ合金の総称です。
これらの組成内では、Niの含有量が多くなるほど、ばね特性は向上し、またZn含有量は多いほど強度が向上し、逆に少ない場合は靭性に富む合金となります。
洋白は優れた強度とばね特性から電子機器用材料（シールドケース、接点部品）として用いられ、また銀白色の美しさと優れた耐食性から高級洋食器、装飾品、管楽器等にも広く用いられています。
また、清峰金属工業の洋白は、多年の研究と実績を元に300℃×10分でも耐熱変色性のある洋白HCRシリーズを開発しております。

耐熱変色洋白　HCR-C7701、HCR-C7521

洋白はCu-Ni-Znの三元合金で、一般にNiは増すほどばね性を高め、Znは強度を増し、Cuは展延性を向上させ優れた加工性、機械的特性を有しております。
特にC7521は、シールドケース等に多く使用され、部品は大気環境下においてリフロー処理工程で250℃以上の温度で5分程度の熱履歴を受ける。この際に、変色を起こし易いことが指摘され、変色した部品は外観不良等で不具合を生じる。
そこで、C7521の加工条件を見直し、条件を管理する事により、250～300℃×5minの条件でも変色し難い材料に改良しました。
熱変色抵抗に優れていることからHeat Discoloration Resistance C7701、C7521　略称HCR-C7701、HCR-C7521としました。

耐加熱試験結果

変色の度合いは、人それぞれに感じ方が異なることから、色を数値化し評価しました。
評価方法はJIS（JIS Z8729）で採用されているL*a*b*表色系を用いました。
L*は明度、a*はプラス側で赤色をマイナス側に緑色、そしてｂ*はプラス側で黄色をマイナス側に青色を示しております（図１参照）。なお、数値が大きくなるに従って鮮やかな色になります。

• ※1：色差（a*　b*）は、3ポイント以上変化すると目視で確認できるレベル（―線を越えると変色）
• ※2：熱処理前の状態を0としています